こんにちは。司法書士の水上和巳です。高齢者の終活をたくさんお手伝いしている司法書士にとして、年齢に関係なく多くの方に終活を身近に感じてほしいと思っています。
しかし、よく質問されるのが「終活はいつから始めるべきなの?」ということです。確かにいつからどのように始めるといいのか、分からずに先延ばしにしている人もいると思います。
そこで今回は、終活はいつからはじめたらいいのかという疑問に対して、お答えしていきます。
1.「何歳から」という決まりはない!
終活をいつからはじめればいいのか、悩む人は多いものです。例えば、学校でテストがあれば、ほとんどの人はその日に向かって計画的に勉強をしていきます。あるいは仕事でも、納品日が決まっていれば、その日までに作業を終わらせるものです。
これに対して終活はどうでしょうか。いつ自分が死ぬのか分からない中で、どういう準備をいつから始めていいのか分からないのは誰もが同じでしょう。
そこで、終活をどのように考えているのか、統計を見てみましょう。
2019年に楽天インサイト株式会社が全国の20代から60代の男女1000人を対象に、「終活に関する調査」をインターネットで実施しています。その中で「終活」をはじめたい年齢を聞いたところ、下記のような結果になっています。
20代…0.7
30代…3.5
40代…5.7
50代…12.4
60代…41.7
70代…23.6
80代以上…3.2
状況に応じて…9.2
これを見ると、4割以上の人が60代と答えています。一般的には60歳で会社を定年退職して時間ができますので、始めるにはちょうどいいタイミングかもしれません。70代以降になると、行動範囲も限られてしまいますし、時間も体力も気力もあるということからも60代は早すぎず、遅すぎずという年代と言えるでしょう。
しかし、こうした統計の結果にとらわれて、「60代になってからでもいい」「70代になったからもうできない」という訳でもありません。いつ死ぬかは誰も分からないのですから、いつ始めてもいいのではと私は思っています。もちろん早く始めてもデメリットはありません。
また年齢ではなく、何かの出来事が起こったり、状況が変わることではじめることのもいいでしょう。下記の一例を参考にしてください。
・自分と家族の健康に不安を感じたタイミング
自分が病気をしたときはもちろん、家族が病気になった時も行動範囲は限られてしまうものです。また将来への不安を強く感じるようになりますので、次の世代へ何かを残しておきたいという気持ちも強くなるはずです。
また、終活を開始することで健康に対しての意識を高めることもできます。「この先も健康で過ごすために終活を開始する」という考えも素敵だと思っています。
・孫など家族が増えたタイミング
終活をして自分の人生を振り返ることは、家族との絆を確認する作業でもあります。遺言書は、家族が増えると書き直されることもあります。これと同様に、例えばお孫さんが生まれたといったことで、終活を始めるのもいいでしょう。
・友人や知人が亡くなったタイミング
知り合いの死を目前にすると、自分にもいつ死が迫ってくるのか、と不安になるものです。特に年齢が同じ同級生などの死によって、自分の死も身近に感じるものです。そしてこのタイミングで、自分が家族のために残してあげられるものを考え、終活を始めるのもいいでしょう。
2.家族へのメッセージは遺せるときに遺そう
終活というと具体的にどのようなことから始めたらいいのか、最終的に何をすればいいのか、という質問も受けますが、こちらも正解はありません。ただし何をしたらいいのか、悩んでいる人には下記のようなものがありますというお話をします。
エンディングノート
これまでの人生を振り返り、現在の自分の状況、さらに希望のエンディングについて記載するノートです。Q&A方式になっているものもあり、質問に答えを記入していると完成するものもあります。具体的には下記のようなことを記します。
・自分自身のこと…氏名や住所、生年月日、本籍地、健康保険証などの重要書類の保管場所など
・資産のこと…預貯金のある口座や口座番号、不動産や有価証券などの資産状況、債務の状況など
・友人や知人のこと…万が一の時のための連絡先など
・エンディングのこと…希望する葬儀の形式や喪主、お墓についてなど
遺言書
エンディングノートとは違い、法的効力が発生するのが遺言書です。残された家族のために、財産の分割などを遺言として遺しておきます。
生前整理
身の回りの品を生きているうちに整理しておくことは生前整理といいます。家族に分けるだけではなく、いらないものを処分しておくことも、生前整理の一つです。
家族へのメッセージ
自分史や手紙などで家族への想いを伝えます。渡すタイミングはいつでも構わないのですが、メッセージを考えたり、書いたりするのはいつでもできます。
このように終活としてすることはいろいろあります。できるものからしていくという考え方でもいいでしょう。特に、家族へのメッセージはどのように残すのか、何を残すのか、を考えるだけでも構いません。
3.まずは“えほん”という形で遺すことから始めませんか?
家族へのメッセージといっても、長い文章を書いたりするのは苦手という方もいるでしょう。またお孫さんなどにもわかるような内容にしたい、という方もいらっしゃいます。そこで当事務所がおすすめしているのが、絵本で遺す自分史です。
当事務所では手軽に手を取ってもらえる家族へのメッセージが遺せるように、自分史絵本製作サービス「えころ」を提供しています。ストーリー構成やイラスト制作はプロに行ってもらうため、プランナーと打ち合わせをするだけで経験がなくても世界にたったひとつの絵本ができるのです。
自分の物語を書く際に、エピソードがないと仰る方もいますが、その場合はご自分のライフイベントを振り返って書くのもオススメです。例えば、旅行を軸にして書いたり、妊娠から出産までの想いをまとめてみたり、長い人生を描くのではなくピンポイントでまとめる方法もあります。
また、ご自身で残すのではなく、「えころ」をご利用いただいた方の中には親のために絵本を作成された方もいます。父の話を聞き、それをストーリーにしたのです。とてもいい親孝行になったと喜んでおりました。
こういう使い方もありますので、ぜひ参考にしてください。
なお、「えころ」で自分史絵本を製作する際の費用は、下記のようになっています。
自分史絵本の制作の価格
一式(5見開き・表紙装丁オプションなし)…44万円~
表紙装丁オプション…3万3,000円
1見開き追加…2万2,000円
下記のサイトにはサンプルもありますので、実際に出来上がりを確認してください。(https://ehonyuigon.jp/wp-content/uploads/2021/07/b4ce5bbbc16acc452eb9079176016af3.pdf)
4.大切な想いを絵本という形にして…
何から始めたらいい、いつ始めたらいいのか、と迷っているということは、今からはじめても問題ありません。ぜひその一歩を踏み出してみましょう。早く始めることにデメリットはありません。これからの人生も豊かにすることができます。
中でも手軽に始められるのが絵本による家族へのメッセージです。
あなたの心に寄り添って、大切な想いを絵本という形に残していきます。ぜひ下記までお問い合わせください。
【えころの詳細へ】
遠方の方の場合は、電話やメール、リモートなどでのお打ち合わせにも対応させてもらいます。
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